パディントン駅

Lee Perry (3)

レディングに住んでいる頃は、実に二週間に一度はロンドンを訪れていました。まさに定冠詞の似合う街、The City。そんなロンドンへは、レディング駅から特急電車のようなものに揺られておよそ三十分、先ず降り立つのがこのパディントン駅です。2016年日本でも映画が公開されて話題になった、あの駅です。ロンドンには各方面への特急電車の始発駅がいくつかあるのですが、パディントンはロンドンから見て西方、レディングを含めバースやブリストル方面への列車の基幹駅。ここから乗車すれば果てはウェールズの首都、カーディフまで行くことが出来ます。 Read More

中国語は英語

ロンドン 100

乱暴なタイトルに思うかもしれませんが、これが意外と的を得ていると僕は思っています。世界中にチャイナ・タウンがあることでも分かるように、彼らのコミュニティ形成能力はかなり優れていると言えるでしょう。例えば、イギリスでの生活の中で知り得た中華圏出身の友人たちは、異国にいても自分の意見を主張することを、決して躊躇うことはありませんでした。どんなに間違った英語を話していたとしても、少なくとも多くの日本人のように恥ずかしがったりすることはないのです。この姿勢は言語習得には第一と言ってもいいほど重要だと思います。異国に根を張り、コミュニティを形成していくならなおさらでしょう。何故このような民族性を持つことになったのか。その理由が垣間見える、こんな出来事がありました。

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姉ちゃん

Reading (21)決して兄弟のことではありません。今回はアネちゃんと呼ばれている人のことを書こうと思います。彼は僕がレディングに移り住んでから初めて出来た日本人の友達。広くアジア人とはいえ、さすがにインド人とパキスタン人を見極めるのはかなり難しいものですが、面白いもので自分の生まれ育った東アジアの出身者なら、一目見るだけで互いに相手が日本人なのか韓国人なのか、はたまた中国人なのかは見当がつくものです。逆に恐らく当事者になればインド人とパキスタン人同士だってきっとそうなのでしょう。

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フリースタイル

Reading (38)レディングでの生活も二カ月が過ぎ、多少ではあるが英語で暮らしていくことに慣れ出した時期の話。何故か一週間か二週間に一度のペースで、全く英語が話せなくなるという症状が出るのです。変な表現ですが、そんな日は脳がパンパンに腫れあがっているような感覚になっていました。

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寮生活

ロンドン 033実は、イギリス生活最初の一年目、僕はロンドンではなくレディングという小さな町に住んでいました。とある大学の語学コースに入学し、住まいも大学が運営する寮に決めました。その寮は校舎棟に隣接していて、かなり便利で過ごしやすい環境だったことは間違いないのですが、何より苦痛だったのが、想像していた以上に生活スタイルにギャップがあったこと。多くの留学生が最初に感じることでしょうが、先ず住環境に対する意識が違いすぎる。「『ウチとソト』の境界には、下足の着脱と関連性がある」など聞き慣れた指摘ですが、そもそもそんな境界すら彼らにはないのかも知れないと思ったほどです。

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香港国際空港

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第一章 イギリス
さて、今後かなりの数の国について読んでいってもらうにあたって、始めるのはこの国からしかないでしょう。パスポートを確認してみると、2008年9月5日に日本を出国し、2010年4月12日に帰国していました。一時帰国した時期があるとはいえ、本格的に生活の拠点を移した584日間の滞在。思い出も枚挙に遑がなく、もちろん、良い思い出もあれば嫌な思い出もあるのですが、出来る限り時系列に沿う形で列挙していこうと思います。

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はじめに(2)

London 17

前回に引き続き、あと少しばかりこのブログ企画の執筆動機について。

今から遡ること約4年前2011年の4月、何気なくつけていたテレビでウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式の模様を伝える生放送が始まりました。ぼんやりと目の端に入りこんでくるロンドンの街並みに、当時ネガティブな印象しかなかった彼の地での生活を、ふと懐かしんでいる自分に気付いたのです。

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はじめに(1)

London 28

記念すべき第1回。

先ず初めにこれを読んでくれている人に伝えておかないといけないのは、これから何回かに分けて掲載していく一連の文章は、2012年当時に書き溜めていた文章を、2015年現在必要に応じて加筆編纂したものだということ。その内容は主に2008年夏からのおよそ2年間のイギリス生活で訪れた国について言及しながら、日々感じたことや出くわした事件などを綴ったものになる予定です。それは旅行記のようで、エッセイのようで、備忘録のような、かぎりなく何処つかずな文章になるはず。それは覚悟しておいてください。と言いながらも、現地で撮った写真なんかも織り交ぜながら、出来るだけ皆さんを飽きさせないように努力しなければ。

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