キングスクロス&セントパンクラス駅とユーロスター

ロンドン 202

前々回のブログで紹介したパディントン駅が西方への基幹駅ならば、キングスクロス&セントパンクラス駅はいわば北方への基幹駅。なのですが、この駅は他の基幹駅とは一味違います。その理由は、この駅に発着するユーロスターの存在です。あまりにも有名な列車ですが、僕の個人的な思い入れを折り混ぜながら書いてみたいと思います。

恐らく広く知られている情報としては、それがロンドンからドーバー海峡を海底トンネルで越えて、フランスはパリへ上陸する国際列車であるということでしょう。日本人の僕たちにはなかなか理解しにくい感覚ですが、陸続きのヨーロッパには国境を越えて運営されている鉄道路線がかなりあります。しかし、海を越えて、しかも歴史的因縁も少なくない英―仏という二国間をこのような列車が走っているというのは、やはり特殊な事例だと言えるでしょう。

初めてユーロスターを利用したのは、あまりに無計画な旅程の時でした。ファッションの勉強でパリに留学していた友人を訪ねようと急に思い立ち、「よし、早速明日行こう」と決意。さすがに色々と手配していると翌日というのは難しかったのですが、早急にチケット等準備を整えて翌々日にはパリに向かったのでした。チケットも事前に予約すればもっと安かったはずですし、無駄の多い愚かな旅行だったと反省しているのですが、その旅行に関しては別記しようと思います。個人的に興味深かったのは、ロンドンを出発してフランス領内に入るまでは、全てのアナウンスが英語、フランス語の順番で行われていたのですが、フランス領内に入るやいなやフランス語、英語の順番に変わったこと。外国人の僕などは「国際言語」である英語だけでアナウンスすれば十分な気もするのですが、やはりよく言われるように、フランス人はフランス語に多分な誇りを持っているのかも知れません。ちなみに、このユーロスターを使えばフランスだけでなくベルギー方面へも向かえます。勿論ブリュッセルへもこの列車で向かったので、それもまた後述予定。

地理と空港が大好物の奇妙な日本人と知り合ったお陰で、電車だけでなく空港巡りも趣味の一つになっていた僕にとって、電車の駅でありながら、海外への玄関口のような独特の雰囲気を帯びているこの駅は、すぐさま興奮の対象となってしまったわけです。さらに、名前からも分かるように、厳密にはこの駅は二つの駅で構成されていて、キングスクロス駅、セントパンクラス駅それぞれに国内路線の特急電車も発着しています。(正確には、ユーロスターの始発着駅はキングスクロス駅です)スコットランドの首都エディンバラへはキングスクロス駅発の列車で訪れました。ちなみにこのキングスクロス駅、映画「ハリーポッター」のロケで使用されたことが有名ですが、プラットフォーム9¾番線を示す看板もまだしっかりと残っています。

(写真:キングスクロス駅9¾番線)

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